Eee PC発売のASUSTeK、「HD対応パソコン、普及のカギはコンテンツ」

Eee PC発売のASUSTeK、「HD対応パソコン、普及のカギはコンテンツ」

インタビュー:台湾ASUSTeK Computer社・コアテクノロジセンター CTO Taiming Parng氏

ASUSTeK Computer Inc.・Core Technology Center CTO の Taiming Parng氏
ASUSTeK Computer Inc.・Core Technology Center CTO の Taiming Parng氏
図1 ASUSTeK社の低価格モバイル・パソコン Eee PC
ASUSTeK社の低価格モバイル・パソコン Eee PC
図2 新コンセプトのパソコン、ランボルギーニモデル
新コンセプトのパソコン、ランボルギーニモデル

 パソコン用マザーボード大手企業の台湾ASUSTeK Computer, Inc. が、2008年1月下旬に日本で発売を開始した低価格モバイル・パソコン「Eee PC」(図1)の売れ行きが好調である。一方、ASUSTeK 社は、ハイエンド向け市場ではゲーム愛好者向けの高性能機種や新コンセプトのノートパソコンとして「ランボルギーニモデル」(図2)など、多彩な製品ラインアップを擁する。
 HD Processing Forum では、同社 Core Technology Center・最高技術責任者(CTO) のTaiming Parng氏(写真)にパソコンのHD化についてインタビューを行った。 (大場淳一=テクノアソシエーツ)


問 ASUSTek 社は、パソコンの ODM 製造によって大きく成長しましたが、現在は自社ブランドのパソコンにも注力しています。ODM品と自社ブランド品展開の現状は、どのようになっていますか?

答 ODM事業は、Pegatron社としてこの1月にASUSTeK社から分離独立しました。現在は、Pegatron社がパソコン用マザーボードや部品などのODM/OEM事業を行っています。

問 どこの国でHD動画の普及が進んでいますか。

答 HD動画は日本において最も普及していますね。

問 次世代DVDなどHD対応機能のパソコンへの普及状況をどのように見ていますか?

答 HD対応機能の普及はまだこれからだと思います。HD対応機能の普及では、コンテンツが最も重要です。Blu-rayや HD DVDで十分なコンテンツが供給されれば、個人によるHD対応動画コンテンツの利用が進むと思います。そして、多くのアプリケーションがHDコンテンツに対応するので、HD対応パソコンの普及に弾みがつき、それに必要なハードウェアも更に売れるはずだと考えています。

問 パソコンのHD対応という点では、例えば東芝が昨年の「CEATEC Japan 2007」や今年初めの「2008 International CES」で出展したメディア処理用プロセッサ「SpursEngine」搭載パソコンが注目を集めています。これらの展示会で示されたSD(標準画質)からHDへのアップコンバージョン技術(東芝によるデモンストレーション名は「超解像技術」)、画像検索および映像インデキシング技術(同、「顔Deナビ」)、認識技術や動画像合成(同、「FACEMATION」)、ジェスチャによるパソコンとのインタフェース技術(同「ジェスチャリモコン」)などについてはどのようにお考えですか?

答 映像インデキシングについては、AVマニアの方々に良いかもしれないと思います。 FACEMATIONのデモを見ると、このチップはロボット用途(ロボティクス)にも良いのではないかと考えました。標準画質の映像を高画質化する用途は、台湾でも需要があり、これはとてもよいアプリケーションだと思います。

問 パソコンの新しいインタフェースを実現する可能性のある、ジェスチャー・リモコンについてはどう思われますか?

答 当面、パソコンOSの機能のすべてをジェスチャですぐに置き換えることはできないでしょう。しかし、音声やマルチモーダル・インタフェースなどが次世代パソコンの進化の方向性であると考えています。ですので、その意味で東芝のジェスチャリモコンのような要素技術は興味深いですね。

「パソコン市場は二極化、ASUSTeKもその市場トレンドに従って製品を提供」

問 ゲーム用のパソコンや家庭用ゲーム機については、どのようにお考えですか?

答 ゲーム業界で、アプリケーションのビジネスを盛り上げるためには何をしたらよいかを考えなければなりません。任天堂のWiiを見習うべきだと思います。例えば、価格はWiiと同じか少し高めな程度でHD動画コンテンツの再生や閲覧を実現する、などです。

問 物理演算アクセラレータである、AGEIA社のPhysXについては、どう思いますか?

答 AGEIA社のPhysXは対応したコンテンツがまだ少ない。ソニーやnVIDIA社のような会社がAGEIA社を買収し、PhysX技術を製品やソリューションに活かせば良いと思います。(注:このインタビューの直後(2008年2月)、米nVIDIA社が米AGEIA社を買収したと発表した。)

問 最後に、Eee PC のような低価格で限定された機能のパソコンと、ゲーム向けのような高性能なハイエンドのパソコンとでは、御社は今後どちらに注力されるのでしょうか?

答 パソコン市場は二極化しています。ASUSTeK社もその市場トレンドにしたがって製品を提供していきます。つまり、ローエンドの市場では Eee PC などの製品を、ハイエンドではランボルギーニモデルなどの製品を提供するということです。 ASUSTeKとしては、パソコン事業においてトータル・ソリューションを提供していきたいと考えています。


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