「Cell」継承のメディア・ストリーミング・プロセサ-「SpursEngine」のロードマップが明らかに

「Cell」継承のメディア・ストリーミング・プロセサ
「SpursEngine」のロードマップが明らかに

 HD Processing Forumが、2007年12月19日(水)に開催する「デジタル情報家電・パソコン市場を牽引するHD化とその課題」と題するセミナーの中で、東芝セミコンダクター社システムLSI事業部先端SoC開発センター センター長の増渕美生氏が、メディア・ストリーミング・プロセサ「SpursEngine 」の設計思想とロードマップを明らかにする。

SpursEngine は、「Cell/B.E.」に搭載された「SPE(Synergistic Processor Element)」をベースに開発したマルチメディア処理向けのプロセサである。東芝は、2007年9月に「SpursEngine」の概要を発表し、それに続く10月の「CEATEC JAPAN 2007」でSpursEngineの設計思想やSpursEngineを搭載したパソコン「Qosmio」を展示・公開した。今回のセミナーで明らかになるのは、SpursEngineの次期バージョンである。

 SpursEngineは、メイン・プロセサとともにコプロセサとして使われる。現バージョンのチップには、フルHD(High Definition)対応のMPEG2とH.264のコーデック、4個のSPEなどが搭載されている。このため、フルHDのストリーミングや、画像認識、高画質化などの処理を高速に実行できる。CEATECでも、こうしたSpursEngineの特徴を生かしたデモンストレーションを実施していた。

図1:CEATEC JAPAN 2007でQosmioに搭載されたSpursEngine実装の拡張カード

 具体的には、「超解像技術」、「顔deナビ」、「ジェスチャリモコン」、「FACEMATION」の四つである。超解像技術は、標準画質(SD:720×480画素)で撮影した映像をハイビジョン画質(フルHD:1920×1080画素)に変換する。顔deナビは、Qosmioでテレビ番組などを録画するとき、録画と同時に出演している人物の顔のサムネールを作成する。

ジェスチャリモコンは、パソコンに搭載されたカメラを使って人の手や指の動きをリアルタイムに認識し、その動き(ハンド・ジェスチャ)によってパソコンを操作する。FACEMATIONは、人の顔をリアルタイムに認識し,化粧や髪型を変えたうえでその人の顔をリアルタイムにパソコンに表示する。いずれのデモも、SpursEngineに搭載されているコーデックやSPEを有効に活用している。

 SpursEngineは外部インタフェースとしてPCI Express(最大×4)を備えており、まずはパソコンへの搭載が進むものと思われる。CEATECでは、SpursEngineを搭載したカード状のボード(図1)をQosmioのPCI Express拡張スロットに挿入していた。増渕氏は「SpursEngineが、パソコンやAV機器に搭載され、一般の家庭の中へ入るような使われ方を目指す」としている。
(宮崎信行=テクノアソシエーツ)


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