松下電器産業が中心となり、電力線を使った家庭内高速ネットワークの普及と、機器間の通信互換性向上を目指す「HD-PLC(High Definition Power Line Communication)アライアンス」は、海外展開に力を入れ始めた。2008年6月3日~6月7日に台湾で開催されたパソコン関連の技術・製品展示会「COMPUTEX TAIPEI 2008」に出展し、普及活動を展開した。
HD-PLCアライアンスは、松下電器産業が発起人となり、2007年9月に設立された。現在、会員数は15社である。HD-PLCはホームネットワークを構築するための一つの技術である。データを電力線にのせるPLCアダプタと、電力線からデータを取り出すPLCアダプタから構成される。PLCアダプタを電源コンセントに差し込むことによってネットワークを構築できる。最大210Mbpsの高速データ転送が可能で、高画質なHD映像も転送可能だ。
COMPUTEX TAIPEI 2008でHD-PLCアライアンスは大きなブースを構え、メンバー各社が開発した製品を展示していた(図1)。松下電器産業は、PLCアダプタとパソコンをLANケーブルで接続し、電源線を介して映像データを液晶テレビへ転送するデモを実演していた。PLCアダプタとして二つの「BL-PA300」を利用する(図2)。BL-PA300の実効的なデータ速度は、UDP( User Datagram Protocol)が最大90Mbps TCP (Transmission Control Protocol)が最大65Mbpsである。二つのBL-PA300のプラグを既存の電源コンセントに差し込むことによって、高速通信が可能になる。BL-PA300には、LANポートが用意されており、そのLANポートにパソコンや家電製品などを接続すれば、ホームネットワークを簡単に構築できる。無線LANではつながりにくい、1階と2階のネットワークも簡単に構築できるとしている。
世界全体で「50万~60万台のPLC機器が出ている」(説明員)。家庭内でこうした高速ネットワークを簡単に構築できれば、機器間でHD画像を容易にやり取りできるようになる。映像のHD化をいっそう加速させることになるだろう。