医療分野での電子機器においても高画質化が進みつつある。医療画像データのデジタル化においては、既にCR*1やCT*2、MRI*3など医療機器で撮影したデジタル画像を医師がパソコンで閲覧しつつ患者に説明したり、診断に活用したりできるようになっている。近年では、高解像度での画像表示用ディスプレイや、医療画像を三次元画像に変換するソフトウェアなども登場している。
先月初旬に台北で開催された「Computex Taipei 2008」でも、このような動向を反映して今回初めて設置された「医療用電子機器パビリオン(Medical Electronics Pavilion)」(図1)において高画質化に対応した製品が展示され、来場者の注目を集めていた。
台湾 IEI Technology社ブースでは、フルHD解像度・HDMI1.3規格に対応した医療用パソコンやディスプレイなどを展示していた(図2-1)。
現在、医療用画像表示機器で使用されている“High-Color”または”True-Color”の規格では、RGBの各色要素が8ビット、合計24ビットの画像データが使用される。同社によれば、これを各色要素10ビット(または12ビット、16ビット)、合計30ビット(または36ビット、48ビット)に拡張した”Deep-Color”規格によって、微妙かつ正確な診断を可能とする医療用の高精細画像の表示が得られるとしている(図2-2)。
今回、Computex 会場の医療用電子機器パビリオンで医療用CCDカメラを展示、デモンストレーションを行っていたのが、台湾 OPCOM社である。
OPCOM社は、民生用、医療用、車載用、セキュリティ用、産業用など各種アプリケーションに向けたCCDカメラを提供している。 今回のComputexにおける同社ブースでは、フルHDの医療画像の撮影が可能なCCDカメラを展示していた(図3)。このCCDカメラのスペックは、5メガピクセル、160倍ズーム機能、リモートヘッド式であり、患部のフルHD動画または静止画の撮影が可能である。
今回のComputex会場においては、ULPC*4や派手なゲーマー向けパソコンのブースなどと比べると、こぢんまりとしてやや地味な印象が強かった医療用電子機器パビリオンであったが、医療用途における高画質化の傾向がはっきりしてきた。
手術ナビゲーションや外科手術用ロボットなど、高度な医療アプリケーションの進化につれて、HD対応の画像撮影用CCDカメラ、画像表示用ディスプレイ、各種の画像認識や画像処理のためのHD対応医療用パソコンなどが今後さらに普及することが予想される。(大場淳一=テクノアソシエーツ)
注)
*1) CR = Computed Radiography (X線画像をデジタル化し運用する装置および技術)
*2) CT = Computed Tomography (コンピュータ断層撮影)
*3) MRI = Magnetic Resonance Imaging (核磁気共鳴映像法)
*4) ULPC = Ultra Low-cost (Low-power) Personal Computer